他社が自社の会社名とまぎらわしいドメインネームを登録!どうしたらよいか?~前編~
他社の持っているインターネットのドメインネームが自社の商標と紛らわしい場合、商標権者の方では一体どのような手段を講じることができるのでしょうか。
まず、日本ではJPドメインについて民間団体の株式会社日本レジストリサービス(JPRS)がドメインネームの登録管理業務を行っており、JPドメインに関する紛争は社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が策定しているJPドメイン名紛争処理方針に従って日本知的財産仲裁センターに紛争処理を申立てることができます。
この日本知的財産仲裁センターでは、紛争処理に当たって申立人が下記3点の要件を満たしているかどうかを確認します。
- 登録されたドメインネームが正当な権利または利益を有する者の商標と同一又は混同を引き起こすほど類似していること、
- ドメインネームの登録者がそのドメインネームの登録につ いて権利又は正当な利益を有していないこと、
- 登録者の当該ドメインネームが譲渡など不正な目的で登録され又は使用されていること
そして、上記3要件をすべて満たしていると判断すれば、仲裁センターではドメイン登録の取消しや正当な権利者への移転の裁定をすることになります。
そして、JPRSでは仲裁センターからの指示を受けて、ドメインネーム登録者が10日以内に裁判所に出訴しない限り、仲裁センターの裁定に従ってドメインネームの登録取消、移転などの手続を行います。
後編では、日本知的財産仲裁センターへの紛争処理申立て以外の方法について検討してみたいと思います。