調査会社に支払った不貞の調査費用。不貞配偶者や不貞相手に対して請求できる?

夫婦の不貞行為に基づく慰謝料請求事件に関して多いご相談が、被害者たる配偶者が調査会社による不貞行為の調査業務に対して支払った調査費用を果たして不貞配偶者や不貞相手に対して損害として賠償するよう請求することができるのかというものです。実際どうなるのでしょうか?

この点、これまでの実務は調査費用の損害賠償請求を認めているもの、一部認めているもの、全く認めなかったものなどさまざまですので、ご回答としては「ケースに応じて具体的に検討するほかはありません」ということになります。しかしこれだけではご回答になりませんので、これまでの判例などから調査費用の損害賠償を認めてもらうためのエッセンスを検討してみたいと思います。

判例の中には、たとえば不貞配偶者や不貞相手が不貞行為を認めている場合に調査費用の損害賠償請求を認めなかったケースがあります。また、メールやSNSでのメッセージのやり取りなどから証拠上既に不貞の事実が明らかであったケースでも、調査費用の損害賠償請求を認めなかったケースがあります。また、調査が簡易かつ短期間なものにすぎなかったのに、調査費用の請求額が高すぎるとして、調査費用の損害賠償請求を減額して認めたものもあります。

これらの判決からいえることは、調査費用は不貞行為の立証に必要で相当な範囲に賠償が制限されるということがいえそうです(必要性と相当性)。
ご自身のケースで調査費用の損害賠償請求をご検討の方は、お気軽に弊事務所までご相談くださるようおすすめいたします。

コラム:離婚・男女問題

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