専門家役員の有無がマンションの資産評価に直結する時代に
国土交通省がこのたび、弁護士や建築士ら外部の専門家も分譲マンション管理組合の役員になれるようにする方針を決めました。国土交通省は「マンション標準管理規約」というマンション管理規約のひな形を定めていて、(法的な強制ではありませんが)現在ほとんどの管理組合が管理規約をこのマンション標準管理規約の内容にならって制定しているという現実があります。
これまでは、このマンション標準管理規約ではマンションの理事や監事といった役員はマンションの区分所有者から選ぶこととされていました。マンションの自治という観点からは当然のことだったといえるでしょう。
ところが、これではマンションの建て替えをはじめとする法律問題やハードの問題に十分対処できないマンションの増加に歯止めがかからないという現実を目の当たりにし、今回ついに外部専門家が役員に就くことに国土交通省がお墨付きを与えた格好です。
今年の夏にはマンション標準管理規約が改定される見込みとのことです。
このようにマンションの役員に外部専門家を雇い入れることがオフィシャルに認められるようになると、特に中・大規模マンションでは専門家役員の活用の有無がマンションの評価ないし資産価値に直結することになります。役員専門家から定期的に予防的アドバイスを受けることと、問題が生じた後になって事後的に専門家に相談に行くのとでは、前者の方が問題解決のスピードも速いでしょうし、何よりその方がマンションのハードも長持ちし、コミュニティも円滑に保たれることでしょう。
これからは、役員のみなさまの責任や手間の軽減のためのみならず、長期的視野からマンションの資産価値を維持上昇させるためにも、管理組合様においては専門家役員の活用が大きな焦点となるといえそうです。
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