共有物分割請求訴訟と競売手続による共有マンションの分割事例
事件概要
ご依頼者様:70代女性・神奈川県内在住
被相続人:お母上(二次相続)
ご相続人:計3名 長女(ご依頼者甲様)、ご依頼者様の姪1名(A氏)、ご依頼者様の甥1名(B氏)の計3名
共有財産:神奈川県内のマンション専有部分1戸(本件物件)
財産規模:約2000万円
10年ほど前にお母上が亡くなった後に法定相続人である甲様、A氏、B氏の3名の間で遺産分割協議を行い、本件物件を3名の間で共有(甲様持分1/2、A氏持分1/4、B氏持分1/4)することになりました。
その後、甲様がお子様方のためにご存命中に共有財産を整理しておきたいとして、本件物件の共有物分割をご希望され、交渉段階から小職が受任致しました。
ところが、A氏とは連絡が取れたものの、B氏とはどうしても連絡が取れず、本件物件の所在地を管轄する地方裁判所に共有物分割請求訴訟を提起することとなりました。
主要な問題点
法定相続人の一部と連絡が取れない場合の共有物分割方法
結果
共有物分割請求訴訟ではB氏の自宅に訴状を公示送達する手続きを取り、訴訟が開始しました。その後もB氏は訴訟に出頭することも書面を提出することも一切ありませんでした。
共有物分割請求訴訟における共有物分割の方法には①現物分割、②代償分割、③換価分割の各方法がありますが、B氏が何らの訴訟活動も行わない状況では③換価分割しか方法はない状況でした。
結局、③換価分割の方法が取られ、本件物件の競売を認める旨の判決が下り、確定しました。
その後、同じ地方裁判所に今度は競売手続きの申し立てを行い、本件物件は不動産業者によって競落されました。
競落代金は、諸々の競売費用を差し引いて法定相続分に応じ甲様に1/2、A氏に1/4が分配されました。
解決のポイント
- B氏と連絡がつかないことを早期に見定めて訴訟手続きに移行したこと、競売を認める旨の判決確定後すぐに競売申立て手続きを行い、交渉開始から約1年半での事件解決となりました。
受任から事件解決までの期間
交渉段階 約3か月間
訴訟段階 約5か月間
競売段階 約10か月間
同様のお悩みをお持ちの方はできる限り早い段階でのご相談をおすすめいたします。