事例16 管理組合に駐車場使用料値上げの議案の総会での議決を凍結させた事案
ご相談・ご依頼のきっかけ
ご相談者様方は、東京都内のマンション(築約40年、全約100戸)のお住まいの区分所有者様方(複数)です。
ご相談者様方はそれぞれマンションの1階にある駐車場の使用権をデベロッパーから購入されており、その使用の対価として管理組合に対して毎月一定の管理料を収めておられましたが、管理組合側が総会でこれを「駐車場使用料」に名称変更するとともに、漸次大幅に値上げする総会議案を理事会で決定しました。
ご相談者様方は、管理組合によるこのような議案の議決を総会前の段階で阻止したいとして、弊事務所がご依頼を頂きました。
事件概要
駐車場使用料値上げの総会議案が理事会で決定されたことを理事会議事録で予め確認した上で、総会の招集権者である管理組合の理事長を債務者(相手方)とする総会決議禁止の仮処分手続きを地方裁判所へ申し立てました。
結果
駐車場使用料値上げの必要性が乏しいこと、駐車場使用料値上げの必要性に関する管理組合側の説明が変遷していること、駐車場使用権者らに対する管理組合の意見聴取の手続が極めてずさんであり不十分であることなどを主張して駐車場使用料値上げの総会議案につき総会決議禁止の仮処分の発令を主張しました。
その後、本仮処分手続きにおいて、ご依頼者様方と管理組合との間で今後約半年間は駐車場使用料値上げの総会議案を上程しないことを約束するとともに、管理組合が駐車場使用権者との間で改めて誠実に協議に応じる旨の訴訟上の和解が成立しました。
解決のポイント
駐車場使用料値上げの必要性が乏しいこと、駐車場使用料値上げの必要性に関する管理組合側の説明が変遷していること、駐車場使用権者らに対する管理組合の意見聴取の手続が極めてずさんであり不十分であることなどを主張して担当裁判官の一定の理解を得ることができたこと、それに伴って担当裁判官から管理組合側に対する強い和解の勧めが得られたことが解決のポイントとなりました。
受任から事件解決までの期間
最初のご相談から1年弱
総会決議禁止仮処分申立てのご依頼から約3週間
総会決議禁止仮処分申立てから約2週間
同様のご依頼をご検討の方はできる限り早い段階でのご相談をおすすめいたします。