遺産総額合計約17億円の遺産分割調停成立事例(2021年11月)

事件概要

ご依頼者様:60代女性・神奈川県内在住
被相続人:お父上(二次相続)
ご相続人:計3名 長男・次男・長女(ご依頼者様)
遺言書:なし
遺産総額合計:約17億円
遺産の主な内容:都内ご実家土地建物、都内借地権及びテナントビル、都内駐車場土地、都内投資用マンション、地方の土地、預貯金等

交渉段階より小職が受任しておりましたが、交渉では相続人間の協議がまとまらず家庭裁判所に遺産分割調停申立てとなりました。

主要な争点

争点① ご実家の継承者をどの相続人とするか
争点② 遺産を構成する不動産の分配方法
争点③ 遺産を構成する各不動産の評価
争点④ 長男の特別受益、ご依頼者様の寄与分(お父上に対する生前の介護についてのもの)の評価

結果

争点①~③の帰結は争点③の「遺産を構成する各不動産の評価」に大きく左右されるため、家庭裁判所に不動産鑑定の申立てを行い、裁判所の選任する不動産鑑定士によって都内ご実家土地建物、都内借地権及びテナントビル、都内駐車場土地、都内投資用マンションの鑑定評価が行われました。以後、遺産を構成する各不動産の評価は、このとき不動産鑑定士が作成した不動産鑑定評価報告書の記載をベースとして調停が進行しました。争点①については結局長男がご実家土地建物の所有権を承継取得し、ご依頼者様は投資用ワンルームマンションや預貯金等を取得することになりました。次男は預貯金を主に取得しています。

当方からの長男の特別受益、ご依頼者様の寄与分の主張もあり、長男は預貯金を取得しないことになりました。

解決のポイント

  • 不動産鑑定士による鑑定評価の対象を遺産の不動産全部にするのではなく一部に絞ることで、鑑定費用や鑑定にかかる時間を大幅に削減することができました。
  • 長男の特別受益やご依頼者様の寄与分の主張を効果的に行うことにより預貯金などの調整において有利な結果を得ることができました。

受任から事件解決までの期間

交渉段階 約6か月
調停段階 約2年5か月

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