顧問弁護士の選び方
ここでは、顧問弁護士を選ぶ際のポイントについて解説しております。
弁護士の中でもそれぞれが得意とする業務領域は弁護士ごとに異なります。例えば交通事故や刑事事件を得意とする弁護士が中小企業の経営について専門的な立場からアドバイスすることが可能かといえば、かならずしもそうとは限らないのではないでしょうか。
この点、企業法務において重要となる「契約書」の取扱い一つをとっても言えることがあります。契約書における条項の「作り込み方」や契約締結に際しての留意点などは、その業界におけるスタンダードなども踏まえた実践的な知識や経験がないと、弁護士としても的確な回答ができない場合があります。 この点は、ただ単に法律上の知識を押さえているでは不十分で、「どこまで有利な書きぶりにできるか」「どうやって契約上不利な立場をカバーできるか」など、業法や業界の実情も踏まえた総合的な知見や応用力が試されるのではないでしょうか。
顧問弁護士を選ぶ際には、このような企業法務の実践経験の有無を一つの指標として見られるのが良いと思います。
その他にも、対応がスピーディーか、親身になって相談に乗ってくれるか、費用や処理方針に関する説明がわかりにくくはないかなど、こうした個々の対応の良し悪しで、顧問契約の本質的な価値が決まるものと考えます。
また、顧問弁護士と契約しても、結局なかなか相談することがなく、毎月の顧問料の支払いが負担になるばかりというケースもあります。これは、経営者の方々が弁護士の活用方法をまだ理解できていないという面のある一方、弁護士の方から顧問契約の有効活用について十分な提案ができていないということでもあります。何か質問したらそれに対する回答が返ってくるだけではなく、それに対して経営を積極的に良くするためのアドバイスや切り返しが得られるかどうか、これを顧問弁護士を決める際の判断材料にしてみてもよいでしょう。