養育費の支払い義務者に養育費以外の債務が。養育費を減額できる事情になる?

養育費の支払い義務者が養育費の支払い義務以外に債務を抱えている場合があります。サラ金からの借り入れ、カードローン、親族からの借金、住宅ローン、自動車ローンなど様々な債務の種類を考えることができますが、義務者側にこのような事情がある場合、義務者側としては養育費の支払いが大変になりますので、当然養育費を減額するための事情として裁判所に主張してくることになります。

しかし、このように養育費の支払い義務者に養育費以外の支払い義務があることが養育費を減額できる理由になるのでしょうか?

答えは、原則としてNO。原則として、養育費の支払い義務者がどのような債務を抱えており、その債務額がいくらであるかは、養育費支払い金額を定めるにあたっての考慮要素とはなりません。今後の子どもの養育にあたって直接関係のある事情ではないからです。

ただし、例外的に養育費支払い義務者に養育費以外の債務が存在することが養育費を減額するための事情として考慮されうる場合があります。それは、その債務がかつての夫婦の共同生活から発生したものである場合です。

たとえば、夫婦がかつて共に仕事で使用していた車の自動車ローンを夫が単独で負担しており、離婚後も夫の自動車ローンが残っている場合など。このような場合は夫婦間の公平の観点から、養育費の減額事由として考慮される可能性があります。実際、そのような裁判の例もあります。もっとも、夫が単独で使用していた車の自動車ローンを夫が負担しているということであれば、これを養育費の減額事由として裁判所に考慮してもらうことは難しいといえます。

このように、どのような事情が養育費を減額すべき事情として裁判所に考慮されるかは個別の事案ごとに千差万別といえます。ご自分のケースでは一体どうなるのかご疑問を持たれた方は、一度弊事務所までご相談されることを是非お勧めいたします。

以上

コラム:離婚・男女問題

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