子どもの親権争いで考慮される事情とは・後編
婚時における夫婦の子どもをめぐる親権の争い。裁判所は子どもの親権者を決定するに当たって、一体どのような事情を考慮しているのでしょうか。今回は後編になります。
これまでの生活環境はできるだけ維持―継続性の原則
家庭裁判所は、親権者の決定に当たって、事前に子どもの家庭環境、住居環境、教育環境、監護補助体制などの生活環境を家庭裁判所調査官による調査などで入念にリサーチした上、なるべく子どもの生活環境をこれまでどおりに維持して留めようと努めます。これを継続性の原則といい、子どもが生活環境の激変によって精神的な不安に見舞われることをできる限り避けようとする要請から認められるものです。
子どもたちは一緒に育った方がよい―きょうだい不分離の原則
子どもが複数いてきょうだいを形成している場合、親権の分属という名の下でそれらの子どもたちを引き離すことはなるべくしない。これをきょうだい不分離の原則といいます。これは、きょうだいを分離することによってきょうだいが精神的不安を受けることを防止するとともに、きょうだいはお互いが身近にいて成長した方がお互いの成長にも有益であるという観点から認められるものです。一般にまだ小学生のきょうだいがいる場合、親権の帰属の決定に当たってこの原則が考慮されやすいといえるでしょう。
離婚にあたって子どもの親権が欲しいが親権の帰属で配偶者と争いになっている、あるいは争いになることが見込まれるということでお困りの方などは、お気軽に弊事務所までご相談くださるようおすすめいたします。