実績事例~離婚調停で相手方配偶者の勤務先から退職金金額の開示を受けてこれを財産分与させることに成功した事例について
退職金の財産分与の可否とその範囲
相手方配偶者の退職金の財産分与は認められるでしょうか?また、認められるとした場合、財産分与はどこまでの範囲で認められるのでしょうか?
まず、退職金は賃金の後払い的性格を持つとされており、(清算的)財産分与における分与対象財産とされることが一般的です。
また、その範囲については、財産分与基準時(通常別居開始時)における退職金支給見込み額を財産分与対象とすることが一般的です。
相手方配偶者が退職金の任意開示を拒絶した場合の対応方法とは
そこで、退職金の財産分与を求める側としては、相手方配偶者に対して夫婦関係調整調停(離婚調停)や離婚請求訴訟の中で、まず任意に退職金の金額を相手方勤務先の提示する資料とともに開示するよう求めてゆくことになります。
ところが、相手方配偶者がこちらに対して感情をこじらせているケース(例えば子どもを連れての急な別居開始や不貞行為が介在しているケースなど)では、退職金の金額の開示にも消極的となり、最悪の場合、任意での開示を拒絶する対応を示されることがあります。
このような場合の対応方法として、家庭裁判所に対して調査嘱託(民事訴訟法186条)という手続を申し立てて、家庭裁判所から相手方配偶者の勤務先に対して直接退職金金額の回答を求めるという手続を取ることができます。
実際に弊事務所でも、離婚請求訴訟において地方公務員である相手方配偶者が退職金金額の任意の開示を拒絶したため、家庭裁判所に調査嘱託の申立てを行い、相手方配偶者の勤務先である地方公共団体から家庭裁判所宛に相手方配偶者の退職金金額を回答してもらったという事例がございます。
このように、相手方配偶者が退職金の金額はじめ財産分与の対象財産の開示を頑なに拒絶している場合、夫婦関係調整調停や離婚訴訟では調査嘱託手続が対象財産開示に向けての有用な手段となりますので、相手方配偶者のこのような対応でお悩みの方には是非一度弊事務所でのご相談をおすすめいたします。
離婚や男女問題でお困りの方がいらっしゃいましたら、是非弊事務所までお気軽にご相談くださいますようおすすめいたします。